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  バイオマス利用に関する規模と資源量問題の重要性


エネルギーを作るためには一体どれほどのバイオマスが必要なのでしょう
また日本ではどれだけの量のバイオマスを集めることが可能なのでしょうか

件数 最大処理量
林地残材、間伐未利用材 10〜20 m3/年 50  m3/年以上
製材所廃材(個別製材所) 1〜2.4  m3/日  12.5  m3/日以上
製材所廃材(森林計画区) 0〜200 m3/日 400〜800  m3/日
ライスセンターのタンク容量(個別) 200〜500 t 2000〜5000 t
ライスセンターのタンク容量(市郡単位) 1000〜2500 t 5000〜10000 t
家畜排泄物堆肥化施設 100〜500 t 5000 t以上
水産卸売残さ(水産卸売市場) 0〜0.04 t/日 0.4〜2 t/日
青果廃棄物 0.04〜0.4 t 4〜8 t/日
家庭からの厨芥ゴミ 3〜15 t 60〜150 t/日
建築廃材 1〜5  t 10〜50 t/日
下水処理施設 0〜10  m3/日 10000 m3/日以上
屎尿処理施設 10〜50  kl/日 100〜200 kl/日
家庭からの廃食油(一般廃棄物処理施設) 33〜165 s/日 660〜1650 s/日
日本エネルギー学会「平成13年度新エネルギー等導入促進基礎調査報告書」(2001)
(バイオマスエネルギー高効率転換技術に関する調査)より

この表は1日あるいは1年で発生するバイオマス(廃棄物等)の量と
施設が処理できる最大量をあらわしています
単位をそれぞれなおすと発生量が1日当たり数 t/dから数10 t/dの規模が多くなっています

このように日本という小さな国で集めることのできるバイオマスは
1日に数 t/d(単位トン)〜数10 t/dしかありません
この程度のバイオマスではほとんど電力を取り出すことはできないのです
1000kwの電力を取り出すのに必要なバイオマスは約200 t/d
しかしこれだけを集めることは不可能に近いのです

しかも日本は人件費が高くバイオマスの収集、装置の運転にはコストがかかります
これは、バイオマスを用いて生産された熱や電気のエネルギー単価が高いということを意味します
これでは意味がない
規模を大きくすればするほど、かかる人件費は高くなりエネルギー単価も高くなります
だからこそ、必要な研究開発が
『小規模でも高効率な利用技術を開発する』
『安価な収集システムを開発する』
少量のバイオマスを小規模な施設で、効率よくエネルギーを取り出すことは
資源量の少ない日本では必要不可欠な研究開発なのです






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