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バイオマスの分類 |
木質系バイオマス
その名の示すとおり「木」を原料としたバイオマス
建築廃材や製材残材、間伐材、栽培木材など
資源リサイクル法が施行されてから
建築廃棄物も細かく分類することが義務付けられ
施行以前に比べれば利用しやすくなった
現在の利用方法としては廃棄物となった木材から
「ペレット」・「チップ」というものを作り出し
これを燃料として発電を行ったり
また一般家庭での発熱燃料として使用することができる
「ペレット」とは木材をいったん粉々に砕き乾燥させ
それを再度固めた小さな円柱形の塊
「チップ」は木材を粉砕した物
木材をそのまま利用するよりも
こういった加工を施すことでより使いやすく
また燃焼効率も上がる
これらが作られる工程ではよけいな物質は一切加えられず
木が自ら出す物質によって固形化するので
燃焼した際に汚染物質などを一切出さない
家庭では、専用のストーブやボイラーの燃料として
使われている
日本ではまだまだ普及率は低いが
外国ことにスウェーデンではペレットストーブが
一般に広く普及しつつある
石油ストーブに比べると燃焼する際のススが少なく
燃料効率も89〜91%と高い
これらは既に実用されている
チップ | ペレット | いわて型 ペレットストーブ (高さ1420×幅550×奥行き455mm) |
草本系バイオマス
その名の示すとおり「草」を原料としたバイオマス
「バガス」とは、さとうきびから砂糖を絞るときに残った
カスのこと
「ネピアグラス」は主に飼料用のイネ科植物
「ソルガム」はイネ科植物コーリャンとも呼ばれ
子実は熱帯地方では主食とされるところが多い
酒類、菓子、シロップなどの原料にも用いられる
日本では主に飼料用に栽培される
日本では沖縄が「さとうきび」の産地として有名である
2003年11月に「沖縄バイオマスシンポジウム」が開かれた
この中ではサトウキビのCO2固定化能力の高さや
副産物のバガスの利用価値に着目し
地球温暖化を抑制して循環型社会を確立するために
サトウキビを中心とした「バイオ・エコアイランド」構想の提言などがあった
さとうきびは稲などに比べ、光合成速度が高く
CO2吸収能力に優れているとされ
「バガスを炭化(バガス炭)して堆肥(たいひ)にすれば
増産も図られ、地球温暖化抑制にも貢献する
理想的な循環型システムが形成できる」との指摘もある。
これらは繊維質のものであるため
利用方法としてはパルプや紙など製紙に多く使われてきた他、東南アジアのさとうきび工場などでは
バガスを燃料として再利用し工場の電力などにも使う
さとうきび | ソルガム |
水生植物系バイオマス
海水や淡水中で育つ植物を原料としたバイオマス
「ジャイアントケルプ」はラッコが体に巻きつけて
ベッド代わりにすることで有名な海藻
世界最大の海藻と言われ
上部の葉状体を含め長いものは60mくらいまで
成長するものもある
「アオサ」は海水浴場などでよく浮いている海藻
皆朱意中の窒素やりんを吸収して生育する
「ホテイアオイ」は紫の花をつける淡水の浮き草
これも水中から窒素やりんなどの水質汚濁の原因となる
物質を吸収して生育する
池や川などの水質浄化に使われている
水分を多く含むため一旦乾燥させた後
各種エネルギーに変換されることが多い
また栄養豊富なため堆肥などにも使う
ジャイアントケルプ | アオサ | ホテイアオイ |
糞尿系バイオマス
「牛・豚・鶏糞などの家畜糞尿」および「屎尿」
「鶏糞」は比較的鶏舎内で乾燥が進むので
ボイラー燃料として利用でき
「牛・豚糞」は含水率が高いのでメタン発酵の原料となる
汚泥系バイオマス
下水汚泥は下水道施設で集約される形で発生する
含水率が高いため
これもメタン発酵が最も適した有効利用技術とされる
一般食品系バイオマス
厨芥・食品産業廃棄物など
含水率が高いため、メタン発酵の原料とされる
その他のバイオマス
「モラセス」砂糖を作る時の最終段階で残る
真っ黒なドロドロした液体のこと
お菓子の材料としても用いられる
発酵させてエタノールなどを得る
「廃食用油」は使用済みのてんぷら油や
菜種油(植物性の油に限る)
メタノールと反応させバイオディーゼル燃料を得る
地方自治体などで、開発実用化されつつあるものだ
日本では現在「菜の花プロジェクト」が全国展開されている
「セルロース」は木材の主要成分の1つで
樹木繊維の骨格を構成し細胞壁に主として存在している
地球上で最も豊富な天然高分子物質であり
私たちの生活において多方面に利用されている
有用な生物資源
古紙が相当する