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バイオエネルギーの位置付けと取り組み

日本のバイオエネルギーへの取り組みは現在どのように行われているのか
残念ながら、まだ始まったばかりです
バイオエネルギー自体がこれまで広く利用されるに至ってないばかりか
一昨年(2001年)まで新エネルギーとして認められていなかったのですから
世界的にバイオエネルギー導入の方向性にある中
日本はかなり遅れているといっても過言ではないかもしれません・・・

これまでの日本のバイオエネルギーへの取り組み
2001年6月 総合エネルギー調査会答申 新たな新エネルギー導入目標が定められる
2002年1月 新エネルギー促進法政令改正 バイオマスが新エネルギーの一つとして
正式に位置付けられた
2002年3月 バイオマス高効率利用技術開発 開発予算として20億円投資が決定
2002年3月 RPS法案
(電気事業者による新エネルギー利用特別措置法案)成立
電気事業者による新エネルギー利用が
法案により制定された
2002年6月 バイオマス・ニッポン
総合戦略委員会設置
農林水産省主導の元、文部科学省
経済産業省、国土交通省
環境省及び内閣府からなる
委員会が設置され国会で閣議決定された
2002年12月 「バイオマス・ニッポン総合戦略」閣議決定

1997年12月に京都議定書が制定されてから実際に国として取り組みを始めるまでに
実に4年の歳月がかかっているわけです
2001年の総合エネルギー調査会の答申で述べられた新エネルギー導入目標は2010年を目標とし
電気利用については原油換算で34万kl、熱利用については原油換算で67万kl
つまりそれだけの原油を削減しようというものです
1999年のデータによると「バイオマス発電の原油換算量は5.4kl」
それを10年で34klまで上げるためには
まずバイオマスエネルギーというものをもっと一般の方々に知ってもらう必要があります
今各家庭でリサイクルに取り組んでいる方も増えてきていますが
リサイクルシステム自体を改革するためにはみなさんの理解と協力が不可欠なのです
上記2001年6月に総合エネルギー調査会の答申で
新たな新エネルギー導入目標が定められました
それによると「2010年の目標ケースで、電気利用の場合、原油換算34万kl、熱利用の場合、
原油換算67万kl分をバイオマスエネルギーでまかなおう」というものです
新たな新エネルギー導入目標(電気利用分野)
1999年度実績 2010年度見通し/目標
現行対策維持ケース 目標ケース
原油換算(万kl) 原油換算(万kl) 原油換算(万kl)
太陽光発電 5.3 62 118
風力発電 3.5 32 134
廃棄物発電 115 208 552
バイオマス発電 5.4 13 34

新たな新エネルギー導入目標(熱利用分野)
1999年度実績 2010年度見通し/目標
現行対策維持ケース 目標ケース
原油換算(万kl) 原油換算(万kl) 原油換算(万kl)
太陽熱利用 98 72 439
未利用エネルギー(雪氷冷熱を含む) 4.1 9.3 58
廃棄物熱利用 4.4 4.4 14
バイオマス熱利用 67
黒液・廃材等(※1) 457 479 494
※黒液・廃材等=バイオマスのひとつとして整理されるもので、すでに利用されている
発電として利用される分を一部含む


つまり電気利用分野においては1999年度では5.4しか実績のないバイオマス発電を
2010年には34まで増やす
熱利用分野においては、1999年度まったく実績のないものを2010年には67まで増やす
という目標が立てられたわけです
これはエネルギー供給量全体の5%をバイオマスエネルギーが占める割合になります

こうした経緯を経て
2002年1月22日新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法施行令が閣議決定され
同年1月25日に公布ならびに施行されバイオマスエネルギーが新エネルギーの一つとして
正式に位置付けられまし
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