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Joint 20th AIRAPT-43rd EHPRG 会議

報告者:松村 幸彦
開催日時 : 2005年6月27日(月)〜7月1日(金)
場   所 : カールスルーエ        


2005年6月27日〜7月1日の日程で高圧科学と技術に関する第20回AIRAPT-第43回EHPRG合同会議がカールスルーエで開催されました。超臨界水ガス化の関係研究者で年に1回ワークショップを行っていますが、
今年はこの会議に併せて行うこととなり、始めてこの会議に出席しました。
多くの発表は100 GPaを越えるような圧力での物性などをあつかっていましたが、
超臨界水/水熱ガス化の発表も行われましたので、報告します。


T13-KN Douglas Elliott (USA), "The use of catalysts in near-critical water processing"
 キーノートとして水熱条件でガス化する触媒について概説。ニッケル、ロジウムが比較的安定。
失活が問題で、特にイオウが存在すると失活が進行。アルカリ金属は、リン酸塩や炭酸塩として触媒に付着。

T13-O44 Frederic Vogel (Switzerland) "Efficient production of synthetic natural gas from biomass by hydrothermal gasification"
 木質系バイオマスの成分であるリグニンやヘミセルロースを水に溶解して作成した
合成液体木質バイオマスをルテニウム安定化ラネーニッケルで400-420℃でガス化。原料供給が難しい。

T13-O22 Andrea Kruse (Germany) "Biomass gasification in supercritical water:
Key compounds as a tool to understand the influence of biomass components"
 糖とアミノ酸が存在する条件で水熱ガス化を進行させるとメイラード反応が進行し、比較的安定なラジカルが生成、
これがガス化のラジカル連鎖反応を停止させ、ガス収率が下がる。

T13-O26 Nikolaos Boukis (Gernany) "Hydrogen and methane production from biomass in supercritical water"
 2.4 t/dの超臨界水ガス化プラントVERENAでメタノール、エタノール発酵後のコーン残さをガス化。
コーン残さは650℃で完全にガス化。二酸化炭素を高圧水で洗って吸収分離。

T13-O204 Dirk Klinger (Germany) "Energy recovery from wet biomass feedstock in supercritical water"
 バイオマスを超臨界水酸化して、その熱をエネルギー利用する提案。
ジェット攪拌反応器を用いた実験でグルコースの分解速度を確認、さらにプロセス計算を行う。

T13-O108 Yukihiko Matsumura (Japan) "Heat transfer to the turbulent flow of supercritical water where glucose
oxidation is taking place"
 グルコースの酸化が進行している条件での管内乱流伝熱の伝熱係数を測定。
亜臨界領域で伝熱係数は大きく向上。超臨界水酸化、超臨界水ガス化の熱交換器をコンパクトにする可能性を示す。

※この報告は、日本エネルギー学会バイオマス部会用に用意したものを転載したものです。